単孔式腹腔鏡下手術は2009年度から急速に広がってきた最新の腹腔鏡手術です。
甲府市を含めて山梨県内ではまだ、あまり、行っている施設がありません。
笛吹中央病院では、2名の内視鏡技術認定医が慎重に適応を決定し責任をもって安全に単孔式腹腔鏡下手術を行います。
この最新手術を安全に行い、笛吹市はもちろん、甲府市周辺の医療レベルの向上に少しでも貢献したいと考えています。
単孔式腹腔鏡手術とは
単孔式腹腔鏡手術とは名のごとく1つの孔で行う手術です。
シルス(シングルポート内視鏡手術 SILS : single incision laparoscopic surgery) とかタンコーと言われています。 (その他の呼び方:SPA、SPS、LESS)
2007年米国Drexel大学のグループが、初めて、臍の部分を縦に切開することにより、一つの傷から、腹腔鏡下胆嚢摘出術が可能であったことを報告して以来、急速に広まっている手術術式です。
- 開腹手術:皮膚を手術する部位に応じて切開
一番傷の小さい虫垂切除でも4cmぐらいは必要とする手術です。
- 従来の腹腔鏡手術は虫垂切除術は3か所、胆のう摘出術4か所、胃切除術や大腸切除術では5か所前後の孔が必要となります。
- 単孔式腹腔鏡手術は臍を切開し一つの傷のみで行い、一見して手術後はわかりません。
《参考URL》
http://www.olympus.co.jp/jp/news/2009b/nr091013lessj.cfm
http://www.islandclinic.jp/cn_surgery/surgery_tanko_appendectomy.php
※現在は当院では急性虫垂炎、胆嚢摘出術を適応としています。
※安全性が重要ですので虫垂炎や胆嚢炎の程度によって単孔では行えない場合があります。
実際の手術 単孔式虫垂切除術
臍を切開して傷の保護の器具を装着します。(ラッププロテクターミニミニ)
臍を切るだけでかなり大きく(2~3cm程度)の小さな孔(すなわち単孔式)
ができます。

この円形の枠に手袋をかぶせてポート(カメラや鉗子を出し入れするつつ)
を3本入れて手術を行います。


実際の術後の手術の傷
単孔式虫垂切除術 その1 術後10日目

単孔式虫垂切除術 - その2 術後2日目
